はじめに|「もう終わったのか」と思った理由
テレビでサッカーを観ていると、正直なところ「まだ前半か」と感じる試合も少なくない。
ところが、現地で初めて90分を観終えたとき、試合終了の笛を聞いて、こんなことを思った。
「え、もう終わったのか?」
時間が経つのが早かった、というより、
90分という長さをほとんど意識していなかった、という感覚に近い。
なぜ、同じサッカーなのに、現地ではここまで時間の感じ方が変わるのか。
その理由を、自分なりに整理してみたい。
テレビ観戦の90分は、なぜ長く感じやすいのか
まず、普段慣れているテレビ観戦について考えてみる。
テレビ中継では、見るべき場所は基本的にカメラが決めてくれる。
ボールのある位置、注目すべき選手、決定的なプレー。
視聴者は、それを追いかけるだけでいい。
加えて、リプレイや解説、演出によって試合の流れは細かく区切られる。
その結果、90分は「一続きの流れ」ではなく、場面の積み重ねとして認識されやすい。
気づけば、時間そのものを意識しながら観ている。
だから、長く感じるのも自然なのかもしれない。
現地観戦では、なぜ時間を忘れるのか
スタジアムにいると、状況は大きく変わる。
現地では、どこを見るかを常に自分で選び続けることになる。
お気に入りの選手、ボールを持っていない選手の動き、ラインの上げ下げ、相手との距離感。
画面には映らない情報が、ピッチ全体から一度に入ってくる。
何より印象的だったのは、
「何も起きていない時間」が、ほとんど存在しないことだ。
プレーが止まっていても、次の動きへの準備が進んでいる。
その様子を見ているだけで、頭は忙しい。
気づけば、時間を測る感覚そのものが消えていた。
スタジアムでは「ボールがない時間」もサッカーだった
テレビでは、ボールが動いていない時間は、どうしても退屈に映る。
だが、現地では違った。
守備ブロックを整える瞬間、プレスをかける直前の間、選手同士の短い声掛け。
そうした一つひとつが、次のプレーの予告編のように見えてくる。
「今は何も起きていない」のではなく、「これから何かが起きる準備をしている」。
そう理解できたとき、サッカーの見え方が少し変わった気がした。
それでもつまらない試合は長く感じる
ただし、これは正直に書いておきたい。
現地観戦だからといって、すべての試合が一瞬で終わるわけではない。
展開が単調で、両チームがリスクを取らず、ボールが横に動くだけの時間が続くと、
スタジアムにいても「今日は長いな」と感じる。
むしろ現地では、選手の立ち位置や準備の少なさがはっきり見えてしまう分、何も起きていないことも、よく分かってしまう。
現地観戦は、試合を盛り上げてくれる装置ではない。試合の質を、そのまま映し出す場所だ。
だからこそ、良い試合は本当に一瞬で終わり、つまらない試合は、ちゃんと長い。
時間が短く感じた理由は「集中」だった
振り返ってみると、時間が短く感じた最大の理由は、興奮よりも集中だったと思う。
スタジアムでは、音、視線、人の動き、空気感。すべてが同時に存在する。
スマホを見る余裕もない。別のことを考える隙もない。
結果として、90分間、意識がサッカーから離れなかった。
時間を忘れたのではなく、時間を気にする必要がなかった。それに近い感覚だった。
この感覚は、特定のクラブだけの話ではない
こうした90分の感じ方は、特定のクラブや試合だけのものではないと思う。
どのリーグであっても、現地でサッカーを観るという行為そのものが、観る側を能動的にする。
スタジアムは、サッカーを「見る場所」であると同時に、考え続ける場所でもある。
だから、時間の流れ方が変わる。
まとめ|90分が短いかどうかは、試合の中身次第
現地観戦の90分が短く感じる理由は、雰囲気や非日常性だけではない。
- 情報量が多い
- 視線を自分で選ぶ
- 思考が止まらない
その結果、良い試合は一瞬になり、そうでない試合は、現地でも長い。
サッカーは、現地で観ることで魔法のように変わるわけではない。
ただ、その90分を、より正直に体感できるようになる。
たぶん、それが現地観戦の本質なのだと思う。
※個人的な感想です。



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